社会保険労務士の仕事の一つに「就業規則の作成」というものがあるのですが、就業規則とは何なのか?について調べてまとめてみました。
「就業規則」とは
就業規則は使用者(会社)と労働者(従業員)との間のルールブックです。労働時間や賃金などの基本的な労働条件だけでなく、その職場で働く上での規律や決まり事などが定められています。
就業規則(しゅうぎょうきそく)とは、労働者の就業上遵守すべき規律及び労働条件に関する具体的細目について労働基準法に基づいて定められた規則のことをいう。(ウィキペディアより)
常時10人以上の労働者(従業員)を使用している事業場は就業規則を作成して労働基準監督署に届出を行うことが必要です。(逆に言うと9人以下の事業場は就業規則の作成義務はないということです)
ちなみにこの「常時10人以上」には正社員だけでなく、パートやアルバイトの人数も含めます。
「就業規則」の絶対的記載事項
就業規則には必ず(絶対)記載しなければならない項目が三つあります。
1. 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては、就業時転換に関する事項
2. 計算及び支払の方法、賃金の締切及び支払の時期並びに昇給に関する事項
3. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
「就業規則」の相対的記載事項
さらに就業規則には「定めをおく場合(会社のルールとして存在している場合)」には必ず記載しなければならない項目が七つ(と任意で追加)あります。
1. 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
2. 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
3. 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
4. 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
5. 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
6. 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
7. 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
8. 以上のほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項
「就業規則」の雛形
厚生労働省が「モデル就業規則」を無料で公開しています。ワード版とPDF版がダウンロードできるので(もちろん無料です)、就業規則を見てみたい方はダウンロードしてみてはどうでしょう。
他にも就業規則の雛形を無料で配布しているサイトがありますので、いくつかピックアップしてみます。
就業規則の雛形(テンプレート)を無料ダウンロード|yo-人事 ヨージンジ
【無料ダウンロード】使いやすい就業規則|テンプレート、フォーマット、サンプルは【書式の王様】
「就業規則」の参考書籍
数年前に、経営している会社の就業規則を自分で作成してみようと思って、就業規則に関する書籍を購入して勉強したことがあります。 その時に購入したのがこの3冊です。

社長!その就業規則ではヤバすぎる 就業規則に泣いた社長たちの事件簿
- 作者: 山田順一朗
- 出版社/メーカー: あさ出版
- 発売日: 2006/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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なぜ、就業規則を変えると会社は儲かるのか?―ヒト・モノ・カネを最大に活かす6つのヒント
- 作者: 下田直人
- 出版社/メーカー: 大和出版
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
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数年前の書籍ですが、今読んでもかなり役に立つ内容だと思います。オススメです。
個人的な感想
会社勤めしてる人で自社の就業規則をじっくり熟読したことがある人は少数派ではないでしょうか。大企業の場合は社員全員に「社員手帳」を配布して、その中に就業規則が掲載されてたりするみたいですが、 中小企業の場合は就業規則がどこにあるのか(もしくは就業規則が存在しているのか)ということも把握できない場合も多いのではないでしょうか。
実は就業規則には、かなーり重要な内容が書かれているので、是非一読されることをオススメします。